ムード

友達と喋ってて、つくりたくなった本の習作。
アメアパのレインボーストライプTを、あなたとあなたに着てほしい。





あついね。あつくない?
うん、ちょっとあつい。



でも、そういいながらわたしたちは寄り添う。
お揃いのTシャツを着ている。それはもう結構、汗でしっとりしてしまっていた。
白が基調なので、汗じみが目立たないから、良かったな、と、思った。
私の頭は今、彼の二の腕にある。
私たちは今、さっきツタヤで借りてきた、サスペンス映画のDVDを観ている。


少し頭を動かしたら、もう鼻先は彼の脇にあたる。
顔ごと埋めると、やめろよーと言われる。
でも、くさくないよ?
というと、彼は笑って、私の頭をなでた。
その右手はそのまま、私の肩に降りて、彼の手が少し大きかったから、私の胸に少しだけあたった。
私は、今日の下着はどんなだったっけ、と思った。
そう思ってる間に、大きな右手のひらは、私の右胸を包んでいた。
なので、私は下着のことを思うのをやめて、彼の脇にもう一度顔を埋める。
それから、少し顎を上げて、彼の顎を唇で挟んだ。



新しい笑い声のような、もしくはため息みたいなのが、私たちの間から漏れていく。



Tシャツは、どっちがどっちのか、わからなくなってしまった。