単細胞思惑か東京12ヶ月



夢をみた。小学生の時に仲良しだった、日場君の夢だった。
なにしたかは覚えてない。日場君どうしてるかな。
ずっと会ってない。とおるさんのことは、たまにくるメールで思い出す。
『ごめんね ひなた』
一体なにがごめんかわからん。やから返信しなかった。めんどくさかったから。
それより、日場君が今なにしてるかの方が興味深かった。


日場君は女子にモテモテの子だった。
そんなキャーキャーいう「女子」の輪にあんまりうまく入れてなかったあたしは、それでも日場君のスーパー友達だった。と、記憶している。
小学校の頃の友達なんて、ほとんどもう、知らない。
どうしたら、日場君の今を知る事ができるやろう。


携帯が鳴る。
『今晩帰ります』とおるさんからだった。
『はーい』とだけ返した。
携帯のアドレス帳を見る。
『日場優太』
日場君のアドレスは、入っていた。


なんでやろ?いつ入れたっけ?
というか、いつの間にあたし、こんなにぽんこつなってたっけ?


ソファーに倒れ込んだ。うつぶせになって、足をばたばたさせた。


「いつきいたっけなアドレスうーーーいえーーーい」


叫んでみたけど、ちっとも思い出せなかった。